想いのこもったアクセサリーの存在

いつの頃からか、華美なアクセサリーが好きでは無くなってきました。
年齢による嗜好の変化もあるのかもしれませんが、付けているのか付けていないのか？
くらいな物が好きです。
若い子が大振りなアクセサリーを付けているのを見るのは好きです♪
色々な工夫を凝らしているのを見ると、こちらまで楽しくなります。
最近は華奢なブレスレットと金のボールのピアスかパールのピアスを組み合わせて付けているのが心地よいです。

ボーダーに合わせてパールを付けるのが好きな時期もありましたが、髪をロングから肩までバッサリ切ったこの春は、以前制服化した洋服に付けるのがシックリきています。
noromanoronoro.hatenablog.com

そして今の私に欠かせない組み合わせもあります。

写真では分かりにくいですがフェイスが、えんじ色でリューズ部分はオニキスの黒です。
去年まではフェイスと一緒のえんじ色のベルトを付けていましたが今年は黒色のベルトにしました。
実はこの時計、30年くらい待ってやっと母から借りれた時計なんです。
国産品で、たいしたアンティークの価値は無いものだと思いますが、私にとっては凄く憧れで何年もおねだりして去年頭にやっと貸してもらえたものです。
45年程前に父からプレゼトしてもらった時計だそうです。当時で5万円程だったそうで、決して高価なものではなかったそうですが、私の記憶では物心ついた時から母の商売柄、着物を着る時などに付けている華奢な時計が大人でしか付けられない時計のような気がして羨ましかったのを覚えています。
その時計よりも高価な時計を母は幾つか持っていますが、この時計だけは思入れが強いのか私が大人になっても貸してもらえませんでした。
父が買ってくれた、と言うくらいの話を聞いた事はありましたが、特に仲が凄く良い両親では無いですし、離婚の危機も何度かあったくらいの両親なので、何の思入れがあるのか分かりませんでした。
私が30代後半になって、母も着物を着る機会が無くなり、この時計を付けていない事のが多くなっていたので何度目かの、お願いをしたところ渋々貸してくれました。しかも、あげるんじゃないからね！貸すだけだから。と言われやっと手に入ったと言うか、貸してもらえました。
ベルトは替えないといけないし、オーバーホールもしないと使えなく、結局私が使用出来るまでに1カ月と4万円程かかりましたが付けた時は凄く嬉しかったです。
付けた瞬間、大袈裟かもしれませんが、ああこの時計が似合う年齢になったから私の所に来てくれたんだなぁ…と思った程です。

実家に帰った時、私が時計を付けているのを見た父が、あれ？それって俺がタッコ(母のあだ名です)に買ってあげたやつじゃない？と目ざとく見つけました。そうらしいね、最近やっと貸して貰えたよ。と軽く話を流そうと思ったら父がその当時の話をしてくれました。
10代後半で結婚した両親は姉を抱えて、今では考えられないくらい貧乏な生活をしていたそうです。まだ若い夫婦が子供を抱えていると一生懸命働いても豊かにならず、ミルク代が無いとなっては、一眼レフを質屋に入れて、お金を借り、給料が出ては一眼レフを買い取るの繰り返しだったそうです。親に勘当された感じで結婚したそうなのでお互いの実家を頼る事も出来なかった様です。
姉が保育園に入り母が働きに出られる様になった頃、父がやっとボーナスなどが貰える様になり、
生活に少しずつ、ゆとりが出始めた時に父が母へ贈った初めてのプレゼントだったそうです。結婚式も挙げれず結婚指輪も最初は無く、本当にゼロからのスタートだったと話してくれました。
貸してくれなかった理由はコレだったのかもしれないと初めて知った時、そんなドラマじゃあるまいし！話盛り過ぎじゃないの〜と突っ込みを入れながらその場を離れました。泣いてしまうのが自分でも分かったし、悟られたくなかったので昼間だったのに直ぐ、お風呂に入り化粧を落としたのを覚えています。
時計が止まる度、出費は痛いですが、両親の年齢を考えれば、いつかはやってくるであろう遺品になるかもしれない時計が愛おしく、大切で掛け替えのない宝物になっています。

この輪っかのピアスも母からの物です。こちらはただ、ピアス部分が太く、はめていて痛いからとの理由でしたが、この組み合わせを付けている時は気持ちが穏やかになる様な気がします。
シンプルな洋服しか着ない私には丁度良い組み合わせで、大人になった私だから似合う物だと思います。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます！

ポチっとして頂けたら嬉しいです♪